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【事故調査】190308白馬乗鞍岳・天狗原下南東斜面・雪崩事故・速報

2019年3月8日に白馬乗鞍岳・天狗原下・南東斜面(長野県)で発生した雪崩事故について現場調査と捜索救助に係る聞き取りを行いましたので速報としてお知らせします。
 
●事故データ●
日付: 2019年3月8日
時刻: 13時頃(推定)
場所: 天狗原下・南東斜面(地形図
  
概略: 白馬乗鞍岳・天狗原下の南東斜面にて山スキーをしていた単独のテレマーカーが雪崩を誘発し、1mの深さにほぼ完全埋没した。たまたま自然園で昼食休憩をしていたガイドが、2分前まで存在していなかった真新しい破断面を覚知。周辺を観察をすると、破断面にエントリーする滑走跡があるものの、スキーアウトした痕跡がないことから、誰かが雪崩に巻き込まれたと考え、直ちにビーコン捜索を開始。シグナルを捉え、接近すると、スキーの先端が出ていたため、すぐに掘り出しを開始。近隣にいたガイドも応援に加わり、約15分で掘り出しを完了。その時点で要救助者は手足の骨折を負い、なおかつ心肺停止であったが、30分間のCPRにて心拍と呼吸が復活。救助要請した県警ヘリコプターにて、松本市内の病院に搬送されたが、意識不明の状態とのこと。
    
190308_tenguhara_map
図1 現場地形図
  
190308_tenguhara_site
写真1 現場の地形
    左奥のピークが白馬乗鞍岳
  
●雪崩データ●
種 類: 面発生乾雪表層雪崩(ストームスラブ)
規 模: サイズ2(流下距離 280m)
標 高: 2,050m
方 位: 南東
  
破断面: 幅 15m・厚み 30 – 100cm
弱 層: 雲粒なし降雪結晶(上)/こしまり雪(下)
滑り面: 融解凍結層
斜 度: 46度(調査位置)
補 足: 破断面調査地点にてステップダウン(上の弱層が壊れ動きだすことで、下に位置する弱層が破壊される)の痕跡が観察された。当日、近隣の斜面にてスキーカット等で敏感に反応を示していたのは、上の弱層。破断面データはSPIN(No.2222)を参照のこと。
  
190308_tenguhara_drone
写真2 事故当日の発生区
  
190308_tenguhara_startzone
写真3 発生区
    事故翌日の発生区。赤丸が破断面データ採取位置
  
190308_tenguhara_track
写真4 雪崩走路
    走路途中の屈曲部から堆積区方向を俯瞰
  
●安全のために●
雪山での活動においては、仲間と行動することでリスクを軽減できます。また、滑走時にはストックの手革をしないように。今回の事案ではアンカー(身体を雪の中に引き込む役目を果たす)となっています。
  
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日本雪崩ネットワーク
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