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【事故調査】170327那須岳雪崩事故・速報(0415更新)

2017年3月27日に那須岳(栃木県)の南東斜面で発生した雪崩事故の現場調査を3月28日に行いましたので、速報としてお知らせします。数値等は速報値ですので、この後、変更される可能性があります。
  
●事故データ●
日付: 2017年3月27日
時刻: 8時30分頃
概略: 那須岳南東斜面にて、登山講習会の参加者48人が雪崩に遭い、死者8人、怪我40人(内重症2人)の被害が発生した。講習会には栃木県内の7つの高校の生徒51人と引率の教員11人の合わせて62人が参加していた。事故後、県警61人、消防80人以上、山岳遭難救助隊員20人以上、自衛隊員117人によって捜索救助活動が行われた。
  
●雪崩データ●
種 類: 面発生乾雪表層雪崩
規 模: サイズ2 (走路およびデブリ量より推定)
破断面: 不明 (事故後の降雪で埋没)
弱 層: 不明
滑り面: 不明
※現場は、完全な山岳エリアであり、スキー場ではない。
※雪崩規模の定義は「こちら」を参照のこと。
※雪崩の正確な発生場所および幅は不明です。28日の朝までに降った雪および強風により、雪崩が発生した痕跡はすべて消えていました。写真2の黒い岩(通称:天狗の鼻)の直下から発生したのか、あるいは南東斜面の中間部で発生したのかはわかりません(170403)
  
●積雪状態●
標高1400m付近にて積雪断面観察の結果、旧雪(融解凍結層)の上に南岸低気圧による降雪層(10cm程)が載っている。旧雪と新雪の結合状態は悪くないものの、この厚みある降雪層自体の硬度が低く、またその中間部に結合の弱い雪が挟まっており、テストなどで反応している。状況から、今回の雪崩は、南岸低気圧がもたらした降雪が崩れ落ちたものと推定した。積雪データはSPIN参照。
  
170327_nasu_map2
図1 雪崩の現場は、那須岳の南東斜面。赤点線は雪崩の流下方向。赤丸はおよその被災現場。今回の事故現場は、スキー場ではなく、ゲレンデから上部に上がった完全な山岳エリア。(国土地理院・火山基本図を使用)。※国土地理院より災害対応地図が公開され、リフトおよび施設名などが最新の状態へ更新されましたので、地形図の差し替えを行いました(170331)。
  
  
170327_nasu_mt
写真1 那須岳全景。赤点線が雪崩の流下方向。赤丸がおよその被災位置。救助に関わった方の話によると、現場へは緑点線のラインを登ったとのこと。青線は27日に発生した別の雪崩の流下方向。この雪崩のデブリはゲレンデすぐ上まで到達している。
  
 
170327_nasu_startzone
写真2 最上部の埋没者の位置から見上げた雪崩発生区。最上部の埋没者の位置は、およそ標高1400m付近。推定発生区<最上部にある黒い岩>からのおおよその距離は200m、標高差100m、見通し角は33°。※誤解を招く文章表現があったため、<>に囲まれた文字を加え修正しました(170331)
  
  
170327_nasu_runout
写真3 被災現場。写真2の大きな発生区の直下に位置する小さい沢状地形。ここの斜度は20-25度。

  
栃木県教育委員会が設置した「平成29年3月27日那須雪崩事故検証委員会」に対し現地調査で撮影した写真等を提供致しました。提出したデータの一部に対して簡略的な説明を付け、PDF(1.5MB)を作成し、以下写真にリンクしました(170415更新)。
investigation_image

  
※現場調査は那須山岳救助隊隊員のご協力で行われました。
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