00 この掲示板についての最近の情報

自然のコンディション理解および安全確保のために採取したデータを公開することは、他者にも役立つ情報となりえます。
 
 
目的
「雪の掲示板」は雪山で活動する人の情報交換・共有の場です。実際に山で観察・記録されたデータやそれらを元にして行われた作業仮説である積雪安定性評価が書き込まれますので、雪山がどのような状態にあるのか、考察するための<材料>にして頂ければ幸いです。
 
 
内容と運用
情報の<内容>と<運用>を区別してください。自然の姿を断片的を伝えているのが情報の「中身(内容)」です。採取したデータを的確に解釈・翻訳するには、各データが何を意味しているのか、またその関係がどのようなものであるのかを理解する必要があります。一方、あるハザードレベルに合わせて、人間の行動を規制することが「運用」です。前者は自然科学の問題であり、後者は社会の問題となります。掲示板での情報交換は自然科学としての雪崩であり、社会問題を論じる場ではありません。また、雪山に雪崩の危険性があったとしても、同時に雪山は、雪崩に関して安全な場所を併せもっているものです。
 
 
特徴
「雪の掲示板」は雪崩予報ではありませんし、雪崩情報と呼ぶのもおおげさ過ぎます。これは欧米で発信されている公的な雪崩情報のバックボーンを知ることで理解できます。しかし一方で「雪の掲示板」の試みは、カナダやニュージーランドにおいて、スキー場やヘリスキー、そして山岳ガイド会社が連携して行っている業界内のクローズド情報ネットワークである「INFOEX」と、同等のフレームワークと内容を持っています。 
 
 
留意点
「雪の掲示板」は、データ提供者もしくは組織が自然のコンディション理解および安全確保のために観察・記録した情報であったり、それらを利用して評価した内容となります。ですから、掲示板に書かれている内容が、今現在のその場の雪の状態を正確に示しているわけではありません。
 
  
データの見方
「こちら」にデータの見方の例を記載しています。また、雪崩の危険の捉え方については、こちらをお読みください。JANの教育プログラムはどの段階のものであれ、同一コンセプトで整理されており、このような情報への理解が進むように考慮されています。
 
 
データの信頼性
データの信頼性は、データ提供者のスキル・経験・知識などに依存します。データ提供者の経歴情報を参照して頂くことで、その方の基礎的なバックボーンが分かるようになっています。しかし、たとえ経験が浅い人であっても、クラス1データのような大切な情報は採取可能ですし、それは雪粒の細かい区分などよりも重要です。つまり掲示板を読む方の情報リテラシーも求められています。

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データ提供者は二種類三区分に分かれています。いずれも登録制です。
  
ある基準を満たしたスキルある方を「パートナー」として登録して頂き、この方々からある頻度をもって情報が書き込まれます。パートナーは、山岳ガイドやスキーパトロールなど専門的に雪崩に関わっている方が中心になります。これは、ある程度、質が確保された情報が、ある頻度で提供されることを目的としています。
  一方、「コントリビューター」は、これまでと同じで不定期に書き込まれる方になります。バックボーンはガイドから一般の方まで、幅を持った構成になっています。ハンドル名に続けて記載してあるバックボーンを、情報を読まれる際にご利用ください。
 
 
◆◆プロパートナー◆◆
パートナーが所属している組織において、そのオペレーションのために採取している定点での気象データをご提供頂いているところです。
 
カラースポーツクラブ
フォレスト&ウォーター
谷川岳天神平スキー場
水上宝台樹スキー場
シャルマン火打スキー場
BC戸隠小鳥の森


 
 
◆◆パートナー◆◆
パートナーはJAN、CAA、NZのレベル1もしくはそれ以上の資格保持者であり、なおかつ『気象・積雪・雪崩の観察と記録のガイドライン』に沿って各種データを採取・記録すると同時に積雪安定性評価を継続的に実施していることが登録の条件になっています。
  たとえばガイドオフィスの場合、ツアーの最中にフィールドブックに観察やテストした結果を記録し、1日の終わりのガイドミーティングにおいて、他メンバーと、その日の積雪安定性についてのディスカッションがなされています。そして、翌朝、昨夕出した安定性評価に気象データを加味することで、積雪安定性予測を行い、フィールドへガイドツアーへ出かける......といったことが、日々なされていることが前提です。
 
舎川朋弘(カラースポーツクラブ/JAN Level 1)
Damian Banwell(Hakuba Alpine Guides/CAA Level 1)
林智加子(スキーパトロール/NZ stage 1)
石川哲也(カラースポーツクラブ/JAN Level 1)
横山 巌(水上宝台樹スキー場スキーパトロール/CAA Level 1)
古瀬和哉(カラースポーツクラブ/JAN Level 1)
松本省二(FUJI-YAMA Guides/CAA Level 1)
市川 昌(カラースポーツクラブ/JAN Level 1)
中野豊和(インフィールド/JAN Level 1)
渡辺佐智(フォレスト&ウォーター/JAN Level 1)
有元崇浩(NZ Level 1)
新谷勇郎(日本自然保護協会・自然観察指導員/JAN Level 1)
高月泰治(冒険小屋/JAN Level 1)
宝利誠政(フォレスト&ウォーター/JAN Level 1)
鳥山 強(山岳ガイド/JAN Level 1)
福田博之(ゆきのこ/JAN Level 1)
廣田勇介(FUJI-YAMA GuidesBALD FACE/CAA Level 2)
尾澤 脩(フォレスト&ウォーター/JAN Level 1)
杉山 紫(カラースポーツクラブ/JAN Level 1)
加藤順一(JAN Level 1)
秦 孝之(BC戸隠小鳥の森/JAN Level 1/JMGA登山ガイド)
オールベリ・チャック(北海道パウダーガイド/NZMSC stage 2)
玉井幸一(トマム/パウダーガイド/JAN Level 1)
藤田康晴(冒険小屋/JAN Level 1)
奥田成一(フォレスト&ウォーター/JAN Level 1)



◆◆コントリビューター◆◆
aki・・・JAN Level 1
モーリス・・・JAN Level 1
ayabe・・・JAN Level 1
DAIYA・・・JAN Level 1
kj・・・JAN Level 1
azusa
dera・・・JAN SC
sasagawa・・・スキーパトロール
aihara・・・勤労者山岳連盟・講師養成クラス
Taizo・・・JAN Level 1
Ebichan・・・JAN Level 1
shinji・・・雪氷コンサルタント/CAA Level 1
Chimo・・・JAN Level 1
JUN・・・JAN ASC
FS・・・JAN Level 1
keikei・・・JAN Level 1
kenji・・・JAN Level 1
ski alpinist・・・労山等
masa・・・JAN ASC
nori・・・NZスキーガイド/NZ stage 2
INGK・・・JAN Level 1
RYUTA・・・JAN Level 1
makos・・・JAN Level 1
uda・・・JAN Level 1
SEIGO・・・JAN Level 1
nami・・・JAN Level 1
雪丸・・・JAN Level 1
ytama・・・JAN Level 1
teppei・・・JAN Level 1
ITOY・・・JAN Level 1
tomatoma・・・JAN ASC
gacchan・・・JAN Level 1
BKDA・・・JAN Level1/山岳ガイド
mzd・・・JAN Level1
hrk・・・JAN Level1



※AN=アバランチナイト SC=セイフティキャンプ(2日間)
 ASC=アドバンス・セイフティキャンプ(5日間)、Level1およびstage 1=専門講習会
 
 
 
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雪の掲示板・参加のお誘い
 
山岳は広大であり、一人の人間が1日で行動できる範囲は限られます。それゆえ、フィールドで活動する人が適切な方法で協力し合うことができれば、自然コンディションへの理解は進みます。これは山岳での安全に寄与するだけでなく、そこに関わるプロセスを通して、自身のスキルアップにも役立ちます。
 JANの役割は、そのような場=プラットフォームを用意することや、そこでの情報交換・共有が適切に行われるようなガイドラインや教育プログラムを提供することで、そこに集う人をバックアップすることにあります。それがJANの基本理念である<円卓>の意味するところでもあります。
 皆様のご参加をお待ちしています。詳細はこちらの「フォーム」でお問い合わせください。

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記入されるデータは『気象・積雪・雪崩の観察と記録のガイドライン』に準じて行われています。ガイドラインの抜粋は「こちら」にありますので、ご参照ください。また、積雪安定性評価は、適切な教育を受けることや知識と経験を必要とします。「情報とリスクマネジメント」および「雪崩の基礎」に、基本概念がまとめられておりますので、ご参照頂ければ幸いです。
 
 
●●項目について●●
【投稿者】……掲示板に書き込んだ方です。データ提供者リストを参照ください。
【日付】………行動した日です。2007年12月25日は「071225」です。
【投稿時刻】…掲示板に書き込んだ時刻です。
 
【山岳】………山域です。
【場所】………山域内での主たる範囲です。
【標高】………当日、移動した標高帯です。
【気温】………当日、行動中に計測した温度です。
【天気】………当日、卓越した雲量を示します。
【風】…………当日、卓越した風の強度と風向です。
【降水】………当日、卓越した降水の種類と強度です。
 
【雪崩などの観測】…積雪安定性についての直接証拠。クラス1データです。
【積雪構造】…………行動した範囲内での観察等で認知できた積雪構造の特徴です。
【安定性評価】………行動した範囲において、当事者が下した評価です。
【留意点】……………行動のマネジメント上、有益と思われるコメントです。
 
 
●●利用の仕方●●
データは、必ず、すべて項目を総合的に見るようにしてください。移動標高帯と、その日に卓越した気象を理解することは、積雪構造等の理解に役立ちます。また、この際、データの翻訳・解釈が比較的容易なクラス1データである【雪崩などの観測】に比べ、【積雪構造】は書き込む側も、またデータを読む側も、バックボーンとなる知識や経験を必要とします。以下に、いくつかの例を使い、【積雪構造】の記載内容についての説明をします。
 
【積雪構造・例1】
焼結の進んでいない65cmの低密度の雪が以前の吹雪による積雪(100cm)上に載っているが、スキーカットには反応なし。沈降し、結合している模様。表層10cmには大きな温度勾配(4度)がある。SPIN参照。雪庇が発達しており、多くの谷の尾根上に風の影響が見られる。
(説明)
ここ最近、かなりの降雪があったことが分かります。また、以前のまとまった降雪の際には、かなりの風も吹いたようです。ですから、今回スキーカットを試みた場所では反応がでていませんが、風の影響を受けた場所では、異なった結果になるかも知れません。また、表層には大きな温度勾配がありますので、ここの雪が結合力の弱いこしもざらめ雪に変化していく可能性がありますので、後日、山に入った際に確認したいポイントになります。
 
 
【積雪構造・例2】
昨夜の強い南西風が風上斜面を削剥し、風下側に20cmのソフトスラブを形成。このスラブはクラスト上に載り、森林限界付近でのテストでCTM(12)@20cm SPの結果を得た。ウイーク・インターフェイス。
(説明)
破断の特徴として、SP、SCの結果は、注意すべきサインとなります。典型的な弱層を作る雪粒が存在しなくとも、層同士の性格が異なる場合、その境界から雪崩は発生します。それをウイーク・インターフェイスと呼びます。スキーパトロールが日々管理している雪崩は、このようなものが大部分を占めます。
  この日は、形成して間もないスラブが、まだ下層の雪と結合していないようですから、アンカーとなるべき樹木等がなく、大きく開けた斜度のある斜面はハイリスクな領域となります。翌日、行動する際は、地形をよく観察し、このスラブが形成されているのか把握するようにします。たとえ大きな斜面ではなくとも、地形の罠と組み合わされば、厚さ20cmのスラブは十分に危険なものになりえます。
 
 
【積雪構造・例3】
午前、広範囲において3mmの表面霜が確認された。25cmと40cmにある、こしまり雪の層でそれぞれCTM・RPで剪断。前回の降雪による40 - 70cmの雪は沈降し、融解凍結クラスト上のあるこしもざらめ雪の上で、結合力のあるスラブを形成しつつある。テストではCTH(22)@70cm SC×2, SW, 1750mの結果。
(説明)
後日、同じ山域に入る場合、留意すべきことは、この日に観察された表面霜が後日の降雪に埋もれ、積雪内に残っている可能性についてです。風と日射の影響の少ない場所を考えてみてください。積雪上層にある、こしまり雪の層による剪断は、吹雪の不安定性によるものですので、時間経過と共に結合力を高めているかも知れません。
   一方、下層に位置する融解凍結クラストの上に載る、こしもざらめ雪はCTHながらSCという注意すべきサインの結果が出ています。もし、温度勾配が残っていれば、結晶は成長を続け、不安定性は改善していないかも知れません。行動の際は、融解凍結クラストの存在の可能性、および積雪深の変化に注意を払う必要があります。この融解凍結クラストが浅い位置に存在するところが、誘発点になるかも知れません。

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このガイドラインは、ある安全対策を実施するにあたって、どのような、または、いかなる観察をするべきかについて述べたものではありません。これらの用語、方法、技術、記号などを用いることによって、正確な観察記録の作成を行い、各地で行われている雪崩に関する多様な安全対策の情報交換を容易にしようというのがJANの意図するところです。
 スキーテスト、プローブやスキーポールを使ったテストなど、他にも方法は多数ありますが、それらのいくつかは標準化が難しいため、ガイドラインとして整備されていないものもあります。しかし、それぞれの手段は必要に応じて実践されています。
 
 
日付
年、月、日を記録します。それぞれの数値に間にはスペース、コンマなどを入れません。例:2004年12月1日は041201と記載します。
 
時刻
観察時刻を24時間スケールで記録します。それぞれの数値に間にはスペース、コンマなどを入れません。例:午後4時20分は1620と記録します。
 
天気
空を覆う雲量を観察しシンボルマークで記入します。日本の天気予報で「快晴」は雲量1以下、「晴れ」は雲量2以上8以下、「曇り」は雲量9以上になります。薄雲に覆われている場合は、下記マークにダッシュ(-)をつけます。観察地点より下部にある霧・雲はVFと記録し、その最上部の標高を50m単位で推定し記録します。
 
雲量0-1(Clear) CLR 
雲量2-3(Few) FEW 
雲量4-5(Scattered) SCT 
雲量6-8(Broken) BKN 
雲量9-10(Overcast) OVC 
不明(Obscured) X 
 
 
降水の種類・強度
種類
降水なし(No precipitation) Nil
雨(Rain) R
雪(Snow) S
みぞれ(Mixed Rain and Snow) RS
あられ・ひょう(Graupel and Hail) G
凍雨(Freezing Rain) ZR
 
強度・時間降雪深
S-1 1cm未満
S1  1cm
S2  2cm
S3  3cm
S10 10cm
 
降雨
小雨(Very light rain) RV
弱い雨(Light rain) RL
中程度の雨(Moderate rain) RM
強い雨(Heavy rain) RH
 
 
 

静穏(Calm)  空気の移動なし(0m/s) C
弱風(Light)  旗や小枝が揺れる(1-7m/s) L
軽風(Moderate) 小樹木が揺れ、旗が伸び、雪が移動し始める(8-11m/s) M
強風(Strong) あらゆる樹木が揺れ、雪が移動する(12-17m/s) S
暴風(Extreme) それ以上(17m/s以上) X
 
 
風向
8方位で記入します。風向が定まらない時はVRBと記入します。
N NE E SE S SW W NW
 
 
尾根上の飛雪
Nil 吹雪なし
Prev 前回の観察以降、飛雪があったと思われるが現時点ではない
M ある程度認められる(Moderate)
I 激しい飛雪が認められる(Intense)
U 観測不能(Unknown)
 
 
降雪深
降雪板に積もった降雪を数ヶ所で計り、平均値を記録します。
 
中間降雪板(interval board: HIN) 定時観測より短い期間での観測に使用
日2回降雪板(twice-a-day board: H2D) 定時での日2回の観測に使用
24時間降雪板(new snow board: HN24) 過去24時間の降雪の深さの観測に使用
一降雪期間降雪板(storm board: HST) 一つの降雪期間の降雪深を観測に使用
 
積雪深(HS)
総積雪の深さです。
 
靴底貫入法(Foot Penetration)
乱されていない雪面に片足を踏み込み、徐々に全体重を掛けて貫入させていきます。止まったところで足を抜き、雪面からの深さを計測します。5cm以下は1cm単位で、それ以上は5cm単位で記録します。現場の略称:フットペン。
 
 
雪質
国際分類であるThe International Classification for Seasonal Snow on the Ground(IACS 2008)に従っての雪粒の形態と大きさを記録します。なお雪粒に雲粒(ライム)が付いている場合は、記号の右下に「r」を書くなど、一部で修正し使用しています。
 
新雪(New snow)  PP 
こしまり雪(Decomposing)  DF 
しまり雪(Rounded Grains)  RG 
こしもざらめ雪(Faceted)  FC 
しもざらめ雪(Depth Hoar)  DH 
ざらめ雪(Melt Forms)  MF 
表面霜(Surface Hoar)  SH 
氷板(Ice Forms)  IF 
あられ(Graupel)  PPgp 
融解凍結クラスト(Melt-freeze crust)  MFcr 
 
 
粒度
クリスタルスクリーンの升目を参考にして、それぞれの層の雪粒の大きさを記録してください。大部分を占める雪粒の長径の平均を記録し、2つの異なった大きさの粒が混在する場合はスラッシュ(/)を用い、ばらつきがある場合はハイフン(-)を使って記録します。例:0.3/2.5、0.5-1.5、0.5-1.0/2.5
 
 
含水率
雪をそっと握ってみて、その様子から記録します。
 
ドライ(Dry) 圧力を掛けても粘着しあう傾向がない。
モイスト(Moist) 10倍ルーペで見ても水は確認できない。雪はくっつき合う傾向。
ウェット(Wet) 10倍ルーペで見ると水が確認できるが、握っても水はでてこない。
ベリーウェット(Very Wet) 水が滲みでてくる。
スラッシュ(Slush) 水浸し状態。
 
 
硬度
それぞれの層をハンドテストで硬度を観察します。手袋を付けた状態で、層に対して垂直にやさしく押します。
 
F 手袋をつけたこぶし
4F 手袋をつけた指4本
1F 手袋をつけた指1本
P 鉛筆の削っていない側
K ナイフ
I 氷
 
 
ショベルシアーテスト(Shovel Shear Test)
四角柱(幅25cm×奥行35cm)を作り、ショベルを斜面に沿って手前に引くことで、弱層の位置を確認します。テストの際は、四角柱上部の柔らかい雪(F~4F)を全て取り除きます。後部の切れ目は深さ70cmを超えないようにします。
 
STV 四角柱を作成中あるいはショベルを差し込む時に剪断した(Very easy)
STE 最小の力を加えただけで剪断した(Easy)
STM 中程度の力を加えた時に剪断した(Moderate)
STH 強い力を加えた時に剪断した(Hard)
STC 四角柱が折れた(Collapse)
STN 剪断は起きなかった(No Shear)
 
 
コンプレッションテスト(Compression Test)
四角柱(幅30cm×奥行30cm)を作り、ショベルのブレードを叩くことで、弱層を確認します。叩く際は各部の重みで叩くようにし、過度な力は加えないようにします。各回10回ずつ叩き、それを積算した数字をデータコードと共に記録します。
 
CTV 四角柱を切り出している最中に剪断する(Very easy)
CTE 手首を使い手のひらで叩くと剪断する(Easy)
CTM 肘から先を使い、こぶしで叩くと剪断する(Moderate)
CTH 腕全体を使い、こぶしで叩くと剪断する(Hard)
CTN 上記手段によっても剪断が起こらない(No Failure)
 
 
コンプレッションテストにおける破断の特徴区分
破断の特徴は、テスト結果を解釈する際に重要な要素となります。SPやSCの結果は特に留意すべき要素となります。
 
SP: Sudden Planar (サドン・プレナー/ポップ)
    ある一回のタップで綺麗に破断。回数は何回でもいい。ポンと出てくる。
SC: Sudden Collapse(サドン・コラプス/ドロップ)
    一回のタップで破断が雪柱に入り、顕著な層が垂直に落ちて潰れる。
PC: Progressive Compression(プログレッシブ・コンプレッション)
    通常1回のタップで破断し、それに引き続き、徐々に層はタップで圧縮される。
RP: Resistant Planar(レジスタント・プレナー)
    複数のタップで破断線が入る。破断はするが、抵抗感があり、前に出てこない。
B: Non-planar Break(ブレイク)
    破断面は形成されず、凸凹となる。
 
 
 
ルッチブロックテスト(Rutschblock Test)
ブロック(幅2m×奥行1.5m)を作り、上部に乗ることでテストします。
 
RB1 ブロックを作成中にブロックがスライドする。
RB2 スキーヤーが上部から近づき、ブロック上部(後面から35cm以内)にゆっくりと乗る。
RB3 スキーヤーは踵を上げず、膝を上下に屈伸することで下方に荷重を掛ける
RB4 スキーヤーはジャンプを行い、同じ場所に着地する。
RB5 再び、同じようにジャンプする。
RB6 固いあるいは厚いスラブの場合は、スキーを外し、同じ位置でジャンプする。柔らかいあるいは薄いスラブのためスキーを外すと、そのスラブを踏み抜いてしまう場合は、さらに35cm下方、ブロック中央に移動し、膝の屈伸による荷重をもう一度行った後、3度のジャンプを試みる。
RB7 以上のいかなる荷重を試みても斜面に平行で滑らかな剪断が起こらない。
 
 
雪崩の規模
堆積した雪から雪崩の破壊力を推定し、規模を表す数値を選定し記録します。走路の全長は目安であり、スラブの厚さなどから対象物が受けるダメージを考察し判断します。中間の数値(1.5など)も使用します。雪崩管理を行っても発生しなかった場合は「0」を記入します。
 
規模 潜在的破壊力・質量・走路全長
size 1 人間への危害はなし・<10t・10m
size 2 人が埋まったり、怪我をしたり、死ぬ可能性あり・10二乗t・100m
size 3 車を埋めたり、壊したり、小規模な建物を破壊したり、木々を追ったりする可能性あり・10三乗t・1000m
size 4 列車や大きなトラック、数棟の建物あるいは4haの森林を破壊する可能性あり・10四乗t・2000m
size 5 知りうる限りの最大の雪崩。村や40haの森林の破壊する可能性あり・10五乗t・3000m
 
 
雪崩の種類
雪崩の種類を記録します。デブリの状態からハードスラブか、ソフトスラブなのかを付記します。デブリの中にある雪塊やブロックなどから判断します。
 
点発生雪崩(Loose snow avalanche) L
面発生雪崩(Slab avalanche) S
不明(Unknown) U
乾雪(Dry snow) D
湿った雪(Moist snow) M
濡れた雪(Wet snow) W
 
 
トリガー(Trigger)
雪崩を発生させる「きっかけ」記録します。人的要因の場合は、それが故意(管理やテスト)なのか、意図しない偶発的なものなのかも記録します。
 
自然発生(Natural)
爆発物(Explosives)
スキーヤー・スノーボーダーなど(Skier etc.)
スノーモビル(Snowmobiles)
雪上車など(Over-snow Vehicle)
不明(Unknown)
その他(Other)
 
 
雪崩の発生位置(Start Location)
発生区上部(Top of Start Zone) T
発生区中間(Middle of Start Zone) M
発生区下部(Bottom of Start Zone) B
不明(Unknown) U
 
 
雪崩の滑り面(Bed Surface)
荒天の積雪(Storm Snow) S
旧積雪層内(Old Snow) O
地表(On Ground) G
不明(Unknown) U
 
 
末端
雪崩のデブリ先端が到達した位置を記録します。
 
発生区(Start Zone) SZ
走路(Track) TK
堆積区上部(Top Runout) TR
堆積区中間(Middle Runout) MR
堆積区下部(Bottom Runout) BR
不明(Unknown) U
 
アバランチパスが短く、発生区、走路、堆積区の区別ができない場合
パス上部(Top Path) TP
パス中間(Middle Path) MP
パス下部(Bottom Path) BP

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「雪の掲示板」の"評価"に記載されている積雪安定性の区分は下記になります。積雪安定性は、雪崩の発生や、雪崩によって引き起こされる潜在的な結果や規模を予測するものではありません。雪崩のハザードやリスクの考察には、こうした要素の考慮が含まれ、プロフェショナルな現場では雪崩危険度と区別されています。

積雪安定性の評価を的確に行うには、評価の仕方、各要素個別の意味とその相関に関する知識、そして現場での経験などが必要です。JANでは、レクリエーショナル・ユーザーにはSC(セイフティキャンプ)で基礎概念を、ASC(アドバンス・セイフティキャンプ)で基本スキルと考察プロセスの講習を行っています。また、TS(トレーニングスクール)のLevel 1 でも基本スキルと考察プロセスの講習を実施しており、Level 2では、その受講の時点で、ある一定の水準に達していることが求められています。


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よくある誤謬:
たとえば、テストスコアがeasy だと自動的にPoor という評価になるわけではありません。他の要素もすべて考慮し、Poor のコンディションである時は、「一般的にeasyの結果」を得られることが多い、という理解をして下さい。これはテスト結果である「破壊の特徴」についても同様です。他の要素と安定性評価の概念については、「雪崩の基礎」に簡単な記載がありますので、お読み頂ければと思います。

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これは欧米において公的に発令され、利用されている5段階にランク付けされた雪崩危険度の区分です。このような危険度区分がなされた雪崩情報が発信されるには、各地において、統一されたガイドラインに沿って多数の基礎データが採取され、それぞれの場所において安定性評価が行われるなど、しっかりとしたバックボーンがあった後、初めて情報は出せるようになります。日本では、このようにハザード・レイティングされた雪崩情報はでていません。

イ:危険度レベル
ロ:色
ハ:雪崩の可能性
ニ:推奨される行動


イ:低い(LOW)
ロ:緑色(GREEN)
ハ:自然発生の面発生雪崩の可能性はとても低い。
  人による誘発の可能性も低い。
  スラフのような小さい点発生雪崩の可能性あり。
ニ:行動は一般的に安全。通常の注意事項に気をつける。


イ:中(MODERATE)
ロ:黄色(YELLOW)
ハ:自然発生の面発生雪崩の可能性は低い。
  点発生雪崩あるいは人的な誘発による面発生
  雪崩の可能性がある。
ニ:ある斜面方位において急斜面で注意が必要。


イ:考慮(CONSIDERABLE)
ロ:橙色(ORANGE)
ハ:自然発生の面発生雪崩あるいは点発生雪崩の可能性がある。
  人的な誘発による面発生雪崩が十分に起こりうる。
ニ:より注意が必要。潜在的に雪崩の危険がある区域をよく認識する。


イ:高い(HIGH)
ロ:赤色(RED)
ハ:自然発生および人的誘発による、面発生あるいは
  点発生の雪崩がかなりの確率で起こりうる。
ニ:雪崩地形の中で行動することは勧められない。
  安全な行動は尾根の風上側、上部に急斜面がない緩斜面など。


イ:極めて高い(EXTREME)
ロ:赤色に黒色の縁(RED with BLACK BORDER)
ハ:多数の自然発生雪崩が起こる。
  人的な誘発により面発生雪崩が容易く起こる。
ニ:雪崩地形やその周辺での行動は避けるべき。
  雪崩道の堆積区から十分に離れた斜度のない地形に限定すべき。

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