TOP > セミナー&講演会一覧 > 雪崩業務従事者レベル1

雪崩業務従事者レベル1

雪崩業務従事者レベル1
観察と記録のガイドラインに沿ったデータ採取と雪崩ハザード評価の基礎訓練を実施します。

このコースは、山岳ガイドやスキーパトロールなどレクリエーショナルの現場で働くプロフェッショナルに対して基礎的な訓練を提供します。コースは7日間に渡り、雪崩現象、山岳の積雪特性や地形理解、気象や積雪データの採取と記録、雪崩ハザード評価およびリスク管理、そして捜索救助などを学びます。コースの最後には試験があり、合格しますとLevel 1 所持者となります。

     

■参加条件と手続き
1. 20歳以上であること
2. 基礎的な雪崩講習会(※)を受講していること
3. メールでの連絡が可能であること
※2日程度の包括的な雪崩講習会(JANであればセイフティキャンプ)。

  

■事前に必要な技能水準
1. スキーやスノーボードによる十分な山岳ツアーリングの経験(※)
2. 40m×40mの範囲に埋められた2つのビーコン(70cmの深さ)を5分以内に発見
※スノーボードはスプリットを強く推奨。

  

■事前推奨コース
JAN アドバンス・セイフティキャンプ(5日間)

  

■コースの構成
プロの現場で働くための基礎訓練です。地形理解、各種データ採取と記録の付け方、雪崩ハザード評価のプロセス、捜索方法などをフィールドと座学の比6:4程度で実施します。講師と受講生のレシオは1:6~1:8です。

  

■コースの目標
終了時に期待される受講生の目標
・雪崩現象の理解
・雪崩ハザードの理解
・雪崩地形の識別
・山岳積雪の特性
・気象データの採取と記録
・積雪データの採取と記録
・雪崩発生データの収集と記録
・雪崩ハザード評価に使用する要素と方法の理解
・リスクを軽減する方法の現場適応
・雪崩捜索救助の実施
・Level 1合格者が実施できる範囲の理解

  

■受講生の評価
受講生の評価は、筆記や実技の試験、フィールドブック、実際のフィールドでの活動などを通して、複合的になされます。そして、それらの合計点が71点を超えると合格ですが、3つの重要項目(捜索救助、気象観測、積雪断面観察)に関しては、必ずそれぞれが合格点に達していなければなりません。合格者には修了書が発行され、Level 1所持者となります。

  

■配布資料
・『気象・積雪・雪崩の観察と記録のガイドライン』日本雪崩ネットワーク
・『トレーニングスクール・レベル1・受講生マニュアル』日本雪崩ネットワーク
・『フィールドブック』日本雪崩ネットワーク

  

■必要な装備
・バックカントリーのデイツアーで必要とされる装備。
・筆記用具(鉛筆もしくはシャーペン。Hの硬い芯のもの)
・スノースタディセット

クリスタルスクリーン結晶観察のため1mm、2mm間隔などにグリッドが引かれたプレート。
ルーラー折畳式のファイバー尺。2m のもの。1m は不可。
雪温計ステム式のもの。デジタルもしくはアルコール式、いずれも可。事前に氷温検定をしておくこと。
ルーペ8倍~15倍を推奨。カメラ店にあるポジ確認用で十分。周囲から光りが入るタイプを選ぶ。
スノーソー歯の長さは少なくとも35cm程度あるもの。ショベルの柄に仕込むものは短く、使用しにくい。
斜度計斜面傾斜を測るためのもの。

■推奨参考図書
・『雪崩リスク軽減の手引き』東京新聞出版局
・『雪崩リスクマネジメント』山と渓谷社
・『雪崩ハンドブック』東京新聞出版局

  

■標準的スケジュール
実際は天候、ロケーションによって調整される。

第1日目
時刻時間講習内容
9時00分60分講習の説明(目標や装備など)、講師と受講生の紹介
10時00分15分雪崩事故の実態
10時15分30分雪崩の形成と現象
10時45分15分休憩
11時00分60分プロフェッショナルの雪崩捜索救助
12時00分60分昼食
13時00分120分定点での気象観測、雪崩捜索救助
15時00分10分フィールドブックの重要性
15時10分60分雪崩地形
16時10分10分休憩
16時20分90分山岳の積雪
17時50分 明日の説明

第2日目
時刻時間講習内容
7時30分 定点での気象観測(講師のサポートを受けながら)
9時00分30分気象観測の復習と降雪水量の計算
9時30分60分ハザード分析におけるデータと根拠
10時30分 フィールド活動(積雪断面観察など)
15時00分30分定点での気象観測(講師のサポートを受けながら)
15時30分20分破壊の特徴
15時50分15分雪質の区分
16時05分10分休憩
16時15分30分安全行動とバックカントリーでの移動
16時45分60分積雪断面観察データのグラフ化とその解釈
17時45分15分本日の復習と山岳の積雪に関する宿題
18時00分 明日の説明

第3日目
時刻時間講習内容
7時30分 定点での気象観測(講師のサポートを受けながら)
9時00分30分気象観測の復習と天気予報
9時30分30分雪崩情報と「雪の掲示板」
10時00分 フィールド活動フィールド気象観測、積雪断面観察、安全原則、雪崩観察など
16時00分30分定点での気象観測
16時30分30分積雪断面観察データのグラフ化
17時00分30分雪崩発生状況の観察と記録
17時30分60分雪崩ハザード評価
18時30分15分本日の復習とハザード評価に関する宿題
18時45分 明日の説明

第4日目
時刻時間講習内容
6時30分 定点での気象観測
8時00分30分天気予報、「雪の掲示板」、午前のハザード&リスクのワークシート
8時30分 フィールド活動フィールド気象観測、積雪断面観察、安全原則、雪崩観察など
16時00分30分定点での気象観測
16時30分30分午後のハザード&リスクのワークシート
17時00分45分地形写真の作業
17時45分15分本日の復習とハザードワークシートとプロファイルの宿題
18時00分 明日の説明

第5日目
時刻時間講習内容
6時30分 定点での気象観測
8時00分30分天気予報、「雪の掲示板」、午前のハザード&リスクのワークシート
8時30分 フィールド活動(より移動し、地形を認識)フィールド気象観測、積雪断面観察、安全原則、雪崩観察など
16時00分30分定点での気象観測の試験(一部受講生)
16時30分30分午後のハザード&リスクのワークシート
17時00分30分雪崩現場におけるレイティング・システム
17時30分30分地形写真の作業とハザードと地形の関係
18時00分30分本日の復習とハザードワークシートなどの宿題
18時30分 明日の説明

第6日目
時刻時間講習内容
7時30分 定点での気象観測の試験(一部受講生)
9時00分30分天気予報、「雪の掲示板」、午前のハザード&リスクのワークシート
9時30分 フィールド活動積雪断面観察の試験、フィールドでのハザード評価試験
15時30分30分定点での気象観測の試験(一部受講生)
16時00分30分地形写真を使った試験
16時30分 採点のためフィールドブックを提出、明日の説明

第7日目
時刻時間講習内容
7時30分 定点での気象観測
9時00分60分午前のハザード&リスクのワークシートの試験
10時00分10分休憩
10時10分60分筆記試験
11時10分10分休憩
11時20分40分地形写真、筆記、ハザードなど各試験の解説
12時00分60分昼食
13時00分30分事故事例
13時30分15分Level 1合格者の役割と責任
13時45分45分全体のまとめ
14時30分 終了

   

■受講後のプロセス
コースで学んだ各種データの採取、雪崩ハザード評価、地形利用などのスキルと経験を適切に積んでいくには、同じプログラムで学んだ先輩と一緒に働くことが大切です。JANでは会員によって構成される「雪の掲示板」によって登録者のサポートを行っています。そして、Level 1 で学んだスキルが身につき、妥当な量の経験を積んだ方にはLevel 2 のプログラムがあります。JANでは、Level 2 に合格してはじめて「プロフェッショナルの水準に達した雪崩安全対策スキルと経験を持つ」と判断します。なお、Level 1の資格維持には3年に1回の更新研修を受ける必要があります。

  

■海外でのコース
海外では以下が同じプロフェッショナル対象のコースを開催しています。
カナダ:http://www.avalancheassociation.ca/
ニュージーランド:http://avalanche.net.nz/