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雪崩情報に関するお知らせ_170402

日本雪崩ネットワークによる2017シーズンの雪崩情報が4月2日付けで終了致しました。立山山域(富山県)、白馬山域(長野県)、かぐら谷川武尊山域(群馬県・新潟県)の3地域において雪崩情報を発信してまいりましたが、期間を通して、大変多くの方にご利用を頂き、誠にありがとうございました。
  
なお、雪崩情報の改善のため、ご感想やご意見、ご提言などを求めております。何かございましたら「お問い合わせフォーム」からお送り頂ければ幸いです。
  
  
シーズンはまだ続きますので、春季における一般的な注意事項をまとめました。参考にして頂ければと思います。
  
1)吹雪の不安定性
一般的に春の降雪直後の不安定性は数日で解消することが多いものです。寒気を伴った低気圧の通過で降った新雪の一報を聞き、シーズン最後のパウダーを楽しもうと斜面に飛び込む前に、果たしてどの程度、積雪が安定しているのか、状況を把握するように努めてください。もし、判断のための十分な材料を得ることができない、あるいは経験が少なくてわからないのであれば、地形を利用することです。安全に山を楽しむための鍵は<地形>にあります。雪崩の危険の小さい尾根や樹林帯あるいは地形が積雪を支えている斜度の緩いシンプルな斜面を選ぶことです。
  
2)濡れた雪の雪崩
濡れた雪の雪崩はとても重いものです。つまり、小さなものでも簡単に人を押し流しますし、これに「地形の罠」が組み合わさると、危険度はとても高くなります。小さいからといって油断せず、注意深く対処してください。また、日中に日射や昇温、あるいは降雨などで大量の融雪水が生じた場合は、深夜に全層雪崩が発生しても不思議ではありません。雪面が気温低下と共に凍結していても、積雪内部では融雪水が流れ、雪を融かし続けているからです。
   
3)ハザードとリスク
自然が内包する危険要因である「ハザード」と、それに曝されることで生じる「リスク」を区別することは大切です。白馬大雪渓など雪崩の走路となるところを登る行為は、長時間、雪崩ハザードに身を曝しますので、リスクが高いルート選択です。よって、雪崩ハザードが相対的に高くなっていると考えられる降雪直後にそこを登る行為は、さらにリスクを押し上げます。また、斜面上部にガスや雲が掛かり、降雪が疑われ、視界が悪い状況などでは、ハザードを評価するための手掛かり(例えば、新しい雪崩の跡など)を得ることに制限がでます。よって、状況判断の不確実性が高くなりますので、リスクも上がる、と理解することが大切です。
 
4)良い行動の習慣化
被害が甚大な雪崩事故は、雪崩ハザードに曝される地形(雪崩地形)とグループマネジメント(人の行動)のマッチングが悪い時に起きています。つまり、雪崩の走路や堆積区の中で休憩している、雪崩ハザードが高い時に雪崩走路内を多数の人が登っているなどです。適切なリスク管理を行うためには、昔から言われている「安全な場所で休む」「危険に曝される場所では適切な間隔を空け、素早く移動する」といった行動様式を、日々行い、習慣化することが大切です。「春だし、雪も安定しているから、今日は大丈夫だろう」と考え、その日の状況に合っていない行動を続けていると、ある日、それは大きな事故となって返ってきます。
  
5)雪崩装備の携帯
安全啓発「ロープの向こう側」にも記載があるように、ビーコンなしの埋没者を探すことは、多大なる労力と時間が掛かります。過去25年間において、4月~6月の雪崩死者数は、全体の約2割を占めており、捜索に多大な時間を要している事例もあります。また、山岳警備隊によるビーコンよる初めての生存救出事例は5月に発生した事故です。春であっても、雪崩装備は携帯するようにしてください。
   
6)雪崩写真のツイート
安全啓発として実施している「雪崩の写真をツイートしよう」は5月7日まで実施します。まだ写真を撮る機会はあると思いますので投稿をお待ちしています。
  
  
では安全なスノーシーズンを
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