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【事故調査】160131前武尊雪崩事故・速報

2016年1月31日に群馬県・前武尊で発生した雪崩事故の現場調査を2月1日に行いましたので速報としてお知らせ致します。数値等は速報値ですので、この後、変更される可能性もあります。
   
●報道機関へのお願い●
この事故はスキー場は一切関係のない「山岳遭難」です。「コース外滑走」という言葉を用いることで、あたかもスキー場と関係ある事案のように報道することは、事故に対する誤謬を招き、安全対策を進める上での障害となるだけでなく、スキー場事業に対するネガティブ・イメージの拡散にしかなっていません。歩いていようが、滑走していようが、山岳で活動する人が事故に遭えば、それは「山岳遭難」です。夏季において、リフト利用者がスキー場から出たところ100m先で滑落すれば、それはスキー場利用者の事故と報道されず、山岳遭難として取り扱われます。それと同様の報道をお願い申し上げます。また、「バックカントリースキー」は、日本にスキーが伝わった100年以上前から行われている「山スキー」と同義であり、スキー場内の禁止区域を滑る行為とはまったく異なります。
  
  
●事故データ ●
日付: 2016年1月31日
時間: 11時45分
場所: 前武尊・荒砥沢本流上部
   
種類: 面発生乾雪表層雪崩
規模: Size 1.5

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破断面: 標高1930m、南東、幅10m、高さ20cm、斜度40度以上
弱 層: 不明
※急峻な地形かつまだ不安定な雪が残るため、破断面調査を実施できず。
 データは目視によるもの。破断面での弱層は未確認。
 
積雪構造:
近隣の類似斜面での観察では、積雪表面下5-10cm程度にウインドクラスト(厚み1cm)があり、その下層には低密度の降雪層(厚み20cm、新雪とこしまり雪、粒径1-2mm)がある。この降雪層は、まだ十分に焼結が十分進んでおらず、急峻な斜面では人的な刺激で崩れる状態。
   
  
●行動●
グループ : 2人
種別: 山スキー・山スノーボード
被害: 1人死亡
  
当事者の行動と救助概要:
2人は前武尊山頂から剣ヶ峰をトラバースし、荒砥沢上部から11時45分に滑走開始。第一滑走者のスキーヤーが雪崩を誘発し、その真下にある狭いシュート(横幅2m程度)から沢状地形へと約150m流され、雪崩末端で完全埋没(埋没深1m)。

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(本来の深い沢地形はデブリで埋まっている) 

その後、第2滑走者のスノーボーダーが別の斜面(雪崩走路の隣)を滑走し、埋没地点を一度は通過したが、登り返して末端付近からビーコン捜索開始。捜索中に近隣にいたガイドパーティおよび山岳会パーティに応援を要請。埋没者を発見後、ヘリコプター到着までの間、駆けつけたガイドパーティおよび山岳会パーティ(計15名ほど)によってCPRが続けられた。その後、被災者は搬送先の病院にて死亡が確認された。

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