雪崩情報

はじめに・概要

目的
JANの雪崩情報は、山岳ユーザーの行動計画を補助することを目的に発表しています。このため情報には、どのような種類の雪崩が、どのような場所に存在し、どの程度の誘発可能性を持っているのかを、イラストを交えたわかりやすい形に整理して掲載しています。この情報は、雪崩の専門教育を受け、訓練を積んだ雪崩プロフェッショナルが、フィールドで観察された各種データを分析・評価したものです。また、状況に合わせたリスク軽減の行動を取っていただくことを目的に、そのコンディション下での「行動への助言」も付記されています。雪崩情報は、ユーザーに対し意志決定の材料を提供することで、雪崩事故発生率の低減および事故が発生した際の被害軽減に寄与することを目的としています。
 
  
特徴とバックボーン
JANの雪崩情報は、北米の雪崩専門機関から公報されているものと同一の標準化された雪崩情報です。これがJANで可能なのは、カナダの雪崩専門機関Canadian Avalanche Associationと提携し、長年、継続的に現役雪崩予報官を含む現場プロフェッショナルを招聘しつつ専門教育の機会を設けてきたこと、およびその過程で人材が育ち、システムが整ったことを背景としています。
関連リンク:『Ten years under the rising sun』CAA Journal記事
 
 
利用上の注意
雪崩情報を上手に利用するには、知識も経験も必要です。もし、あなたが、基礎的な雪崩の知識を学んでいるものの、まだフィールド経験が浅く、雪崩情報に掲載されている「留意すべき雪崩」や「概要」の記述内容を完全に理解するのが難しいと感じる初級者ならば、Considerable以上の危険度の日は、特に、より斜度を落とし、地形を使った、より保守的な行動を取ることを強く推奨します。また、もし、あなたが、知識もフィールド経験も十分にある上級者であるのならば、詳細情報を注意深く読むことで、リスク要因を避けた行動計画を立て、状況に合致した妥当な大きさの安全マージンを確保した行動を取るようにしてください。レクリーショナルの分野における雪崩死亡事故は、多くの場合、雪崩危険度がConsiderableの時に起こっていることを統計データは示しており、そのことを忘れないようにしてください。
関連リンク:High Danger isn't High Risk.
 
  
情報の限界と責任
使用データの量と質、不安定性の種類と空間的分布および時間的変化、事象の例外性、データを評価する人間の経験などの要素によって、情報の信頼度は変化します。発表される雪崩情報は、その信頼度をGood・Fair・Poorの三段階で表現し、その理由も付記しています。また、この雪崩情報は、特定非営利法人日本雪崩ネットワークが発表する民間情報であり、気象庁から公報される「なだれ注意報」とは異なります。なお、欧米では、数日先までの予報を含む形態の雪崩情報が発表されていますが、日本では気象業務法に抵触することから、JANの雪崩情報は、現地で観察されたデータに基づく「現況のみ」の危険度評価を発表しています。
関連リンク:気象庁「なだれ注意報」